警視庁公安部が昨年5月、新型コロナウイルス対策の持続化給付金詐欺事件の関係先として、東京・秋葉原のビルに入居していた一般社団法人を家宅捜索していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。同法人は中国の「海外警察拠点」の一つだと海外の人権団体から指摘されていた。公安部は21日、詐欺容疑でいずれも同法人の幹部だった中国籍の女性2人を書類送検した。

　捜査関係者によると、2人は一般社団法人「日本福州十邑（じゅうおう）社団聯合総会」の元幹部。捜索では法人が在日中国人向けに中国の運転免許証の更新手続きをしていたことが確認された。捜索後、法人はビルから退去した。
　登記簿によると、法人は中国出身の個人や企業の相互協力や日本企業との交流の促進を目的として18年に設立された。

　書類送検容疑は20年7月、蕨市の女性の風俗店を墨田区の女性の整体院だと偽り持続化給付金を申請し、要件を満たさないのに100万円をだまし取った疑い。捜査関係者によると、店は長野県にあった。